脳は加齢と共に変化していきます。物忘れが多くなって、注意力が欠如したり、人の名前が思い出せなくなったり、新しいことを覚えるのも苦労するようになります。時には複数の仕事を同時にこなすことすら難しくなってしまうかもしれません。こういった認知能力の低下は、年齢を重ねる毎に増えていきます。
　クルクミンは、脳の健康をサポートし、脳の変性や認知能力の低下を遅らせる効果が裏付けられています。これは、クルクミンの役割に依るところが多いと考えられています。（高齢で認知機能障害を引き起こす主な原因の一つが炎症です）
　クルクミンは、心臓疾患、内皮機能不全、2型糖尿病およびインスリン抵抗性、放射線損傷、関節炎といった数々の症状におけるその有用性が示唆されています。

　脳は特に慢性炎症によって引き起こされる損傷の影響を受けやすいです。脳は全体重のわずか2％の重さしかありませんが、激しいエネルギー需要をサポートするために体の酸素予備の20％以上を消費します。
　脳細胞の健康を維持するため、また脳内で起こる数多くのプロセスをサポートするために、脳は高いエネルギーレベルを必要としています。しかし酸素消費が多くなると、脳細胞の酸化損傷や炎症に対する影響が大きくなります。

　血液脳関門を害し、全身毒性および炎症性化学物質に対して透過性にする。血液脳関門の透過性はアルツハイマー病などの症状において重要なことの一つです。
　セロトニンなどの重要な神経伝達物質（脳化学物質）のレベルを下げる。これはうつ病、不安、記憶障害などを引き起こすことがあります。
脳の慢性炎症は、脳機能の低下、うつ病、不安、記憶喪失、疲労といった症状を引き起こします。また、アルツハイマー病や脳卒中など深刻な神経疾患をもたらすことがあります。
　クルクミンはこれらに有効なのです。クルクミンは酸化ストレスや炎症と闘う強力な能力を有しています。
　複数の前臨床試験および多くの臨床試験により、クルクミンが神経変性から脳を守り、うつ症状を改善させ、脳の機能回復をさせることがわかってきました。

　うつ病や気分障害の患者は、炎症性サイトカインおよび活性ミクログリア（炎症と関連している免疫細胞）のレベルが高くなっています。
　さらに、慢性症状を患っている患者はうつ症状になりやすいのです。全身性炎症もまた、セロトニン、ドーパミン、グルタミンの生成を妨害します。これらの脳ホルモンは、気分障害、行動障害、不安障害と強く関わっています。

　クルクミンは強力な抗酸化物質および抗炎症物質です。これは炎症を誘発する特定の酵素やサイトカインの生成および活性を阻止します。最も重要なのは、クルクミンは炎症や痛みに高い効果をあげています。
　うつ病や不安を持つ患者の治療に効果的なことを示しています。クルクミンは不快な副作用を引き起こすことなく、うつ病改善効果を生み出すことができるのです。
　たった６週間のクルクミン補給によって抑うつ行動が軽減されました。

クルクミンは軽度認知障害の患者に最も効果的である。クルクミンサプリメントは症状が悪化する前に摂取すればより効果的であるということです。

　クルクミンは以下の効果によって、神経変性および認知機能の低下を予防します。
●脳の炎症を軽減し、酸化損傷を抑える
●脳細胞の機能障害および死を引き起こすアミロイドβプラークの形成を軽減する
●神経細胞を破壊するねじれたタウタンパク質のもつれを解消する
●脳への血流を増加させる
●脳が持つ、新たな神経細胞を作り、神経経路を形成する能力を向上させるホルモン、脳由来神経栄養因子のレベルを増加させる

　クルクミンは体内の炎症全体を軽減するため、酸化損傷や炎症が重要な役割を担っている状態において、吸収率の高いホワイトクルクミンは効果的です。例えば、クルクミンは心臓疾患リスクを軽減し、関節痛を軽減し、関節リウマチを持つ人々の生活の質を向上させることにおいて効果があることがわかっています。また、過敏性大腸症候群患者の症状の改善にも効果的です。